コーア商事ホールディングスは上値試す、20年6月期増益予想で上振れ余地

2020年3月23日 08:11

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 コーア商事ホールディングス<9273>(東2)は医薬品原薬の輸入販売、および医薬品の製造販売・受託製造を展開している。20年6月期増益予想である。さらに上振れ余地がありそうだ。株価は3月の昨年来高値圏から急反落する場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。

■原薬販売事業と医薬品製造販売事業を展開

 原薬販売事業および医薬品製造販売事業を展開している。商社機能と製造機能を併せ持つビジネスモデルである。19年6月期の売上高構成比は原薬販売事業72%、医薬品製造販売事業28%だった。

 原薬販売事業は、コーア商事がジェネリック医薬品原薬を中心とする輸入販売を展開している。世界10カ国以上・90社以上の原薬製造企業から輸入し、国内100社以上の製薬企業向けに販売している。国内トップクラスの取引基盤・取扱商品を誇り、商社機能を核として「ジェネリックのベストパートナー」を目指している。

 医薬品製造販売事業は、コーアイセイの医療用・一般用医薬品の製造・販売、および製薬企業からの受託製造を主力としている。主力製品は炭酸ランタンOD錠(口腔内崩壊錠=口の中に入れると唾液で溶ける製剤)および注射剤である。

 注射剤については3剤形(バイアル、アンプル、シリンジ)のうち、現在はシリンジを主力としている。19年6月には蔵王工場バイアルラインの引き渡しが完了し、バイアルの受託製造拡大を目指して受注活動を本格化させている。

 中期成長戦略としては、原薬販売事業では長期収載品など新規マーケットの獲得、医薬品製造販売事業では蔵王工場における受託製造本格展開を推進する。原薬販売事業は安定収益源、医薬品製造販売事業は成長ドライバーという位置付けである。

 なお19年6月にコーアイセイが公正取引委員会から排除措置命令および課徴金納付命令を受けたが、再発防止策を策定・実施済みであり、事業展開・業績への影響は収束したとしている。またコーアイセイ(被告)がバイエル薬品(原告)との間で係争中だった炭酸ランタンOD錠製剤に関する特許無効審決取消訴訟において、19年11月知的財産高等裁判所で原告の請求を棄却する判決が言い渡された。

■20年6月期増益予想で上振れ余地

 20年6月期連結業績予想は売上高が19年6月期比1.4%減の150億円、営業利益が7.4%増の13億円、経常利益が2.6%増の13億10百万円、純利益が30.0%増の8億50百万円としている。配当予想は19年6月期と同額の24円(期末一括)である。

 原薬販売事業における在庫調整の影響などで減収見込みであり、医薬品製造販売事業の設備投資(蔵王工場)で減価償却費も増加するが、炭酸ランタンOD錠の売上増や生産効率化などで医薬品製造販売事業が黒字化し、全体としても増益予想としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.2%増の73億61百万円、営業利益が2.5倍の9億07百万円、経常利益が2.4倍の9億11百万円、そして純利益が4.2倍の6億18百万円だった。

 原薬販売事業は在庫調整による需要減がマイナス要因だったが、抗生物質製剤などが好調に推移して3.1%増収となり、売上構成変化も寄与して34.3%増益だった。医薬品製造販売事業は一部製品の受託事業開始などで24.0%増収となり、黒字化した。

 第2四半期累計の進捗率は売上高49.1%、営業利益69.8%である。通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株主優待制度は毎年6月末の株主対象

 株主優待制度は毎年6月末時点の株主に対して、保有株式数および保有期間に応じてQUOカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は3月の昨年来高値圏から急反落する場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。3月19日の終値は1128円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円82銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の24円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1353円80銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約112億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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